arigatom’s diary

お気に入り映画など紹介。

映画『ツナグ』 あらすじ 感想 まとめ

映画「ツナグ」

◎映画『ツナグ』は、辻村深月の連作短編小説「ツナグ」を映画化した作品。

※小説は第32回吉川英治文学新人賞受賞作。2014年2月現在、69万部のベストセラーになっています。

◎キャッチコピーは あなたがもう一度、会いたい人は誰ですか?」「奇跡は、一度だけ、想いをつなぐ。」

◎主演は松坂桃李

 

 

映画「ツナグ」の【あらすじ&映画感想】を紹介します!!

 

 

映画「ツナグ」のあらすじ

死んだ人との再会を仲介する能力者「ツナグ」の役割を祖母から引き継いだ、普通の高校生・歩美(松坂桃李)。

彼の能力を頼って、さまざまな理由を抱えた「半信半疑で依頼をしてくる人達」が次々に現れる。

◇癌で亡くなった母・ツル(八千草薫)に聞きたい事がある中年男性・畠田(遠藤憲一)。

◇喧嘩したまま、自転車事故で亡くなってしまった親友・御園(大野いと)に話したい事がある女子高生・嵐(橋本愛)。

◇プロポーズ直後、突然失踪した恋人・キラリ(桐谷美玲)のことを信じて待ち続けているサラリーマン・土谷(佐藤隆太)。

しかし、歩美は、現在「ツナグ」を祖母のアイ子(樹木希林)から引き継ぐ途中の「見習い」であり、現在実際に死者を呼び出しているのはのは祖母だった。

歩美は依頼人たちの願いを叶えるうちに「死者と再会すること」について様々な疑問を抱くようになります。

「死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。果たして会いたかった死者に会うことで、生きている人たちは救われるのか。?人生は変わるのだろうか?そして死者は…。」…と。

 

www.youtube.com

映画「ツナグ」の映画情報:キャスト

映画「ツナグ」/2012年10月6日公開。

《キャスト》

・渋谷歩美(松坂桃李

・渋谷アイ子(樹木希林

・土谷功一(佐藤隆太

・日向キラリ(桐谷美玲

・嵐美砂(橋本愛

・御園奈津(大野いと

・畠田靖彦(遠藤憲一

・渋谷亮介(別所哲也

・渋谷香澄(本上まなみ

・御園奈々美(浅田美代子

・畠田ツル(八千草薫

・秋山定之(仲代達矢

 

《スタッフ》

《原作》辻村深月『ツナグ』(新潮文庫刊)

《監督・脚本》平川雄一

《音楽》佐藤直紀

《エグゼクティブプロデューサー》奥田誠治

《Co.エグゼクティブプロデューサー》神康幸

《プロデューサー》伊藤卓哉、小林誠一郎

《編集》伊藤潤一

VFXプロデューサー》小坂一順

《監督補》塩崎遵

《助監督》土岐洋介

《アシスタントプロデューサー》田口生己

《ラインプロデューサー》鈴木嘉弘

《主題歌》JUJU「ありがとう」

 

映画「ツナグ」の感想

①権利書はどこか母に聞く息子。

※ネタバレ注意!

この「ツナグ」で出てくる依頼人は3人。

主人公の歩美が初めて担当することになったのは、工務店を経営している畠田靖彦

春彦が母ツルに会いたいという。

理由は「土地の権利書」を聞く為だった。

しかし、待ち合わせ場所で歩美の姿を見ると、いきなり詐欺師扱いし「ツナグ」も本当なのか半信半疑だった。

春彦役をしている遠藤さんは好きだけれど、流石にこの時は「なにコノ人。疑うなら依頼すんな笑」と思ってしまった。

さらに歩美に怒鳴り散らすわで、今回が初仕事だった歩美が可哀そう。

しかし歩美は冷静で、懸命に春彦の話を聞こうとする。どっちが大人で子供なのか分からない状態。

春彦は母に本当の病気の事を伝えなかった。

その為、孫(春彦の息子)は、祖母(春彦の母)の息を引き取る際に会えなかった。

そのこともあり、靖彦と息子の仲が悪いらしい。

なんやかんやあって結局、靖彦は歩美に「ツナグ」を正式依頼し、目の前に母が現れる。

母:ツルの意外な言葉。

「権利書は、おまえがちゃんと知っているだろ?」と優しく言います。

実は、靖彦が母に本当に会いたかった理由は、権利書を聞き出す為ではなかった。

ツルの病気が本当は癌だと伝えなかった事を、これで良かったのか後悔していたから。

ツルは、春彦が息子と不仲なのも知っていました。

でもツルは

「あんたの優しさだったんだろ?」

「苦しかっただろう?そんなこと一人で背負って。よかったんだよ。あんたが決めたんだから。なんの後悔もないよ」

と。

息子の悩みを聞き入れ、靖彦の良い所を語ってくれます。

「目を背けないで、ちゃんと見てあげなさい。あんたも人の息子なんだから。」

と背中を押してくれる。

後悔しながら、強がって生きている晴彦は母の前で泣いていました。

 

このシーンは私も泣けました!!

 

そして、夜明けがやってくる。

死者と一緒に居られるのは、夜明けまで。

夜明けが来ると、ツナグで呼び出された死者は消えてしまいます。

その後、靖彦はホテルのロビーで終わるのを待っている歩美に、いつものように少し憎まれ口を叩きます。

最後に感謝の心を込めて「ありがとう」と一言いって去っていきました。

憎まれ口は照れ隠しで、不器用な男なりの「ありがとう」だったと思いました。

 

②喧嘩したまま、自転車事故で亡くなってしまった親友に聞きたい事がある女子高生。

※ネタバレ注意!

この回は、一番好きなお話でした。

ここで出てくる2人の女子高生・御園と嵐は、主人公である歩美と同じ高校に通っている。

御園は親友の嵐と共に演劇部に所属しており、桜の園」公開が決定し、俳優のオーディションが始まる。

嵐は一番でなければ気が済まないプライドの高い性格

もちろん嵐は主役に立候補する。

今回は、御園も主役に立候補した。

嵐は御園が立候補するとは思わず、驚きを隠せなかった。

その後、御園が主役に抜擢されたことで、嵐は御園と距離を置くようになる。

嵐は御園に対して「御園さえいなければ」という憎しみの思いが湧き出てくるようになる。

この嵐の異変に嫌な予感がしたけれど的中してしまうとは…。

ある日いつもの通学路で嵐が自転車で坂道を上っていると、ある家の前で、御園が言った一言を思い出した。

「家の人が閉め忘れたのかな?寒くなったら道が凍って危ないね」

その時、水道の蛇口から水がチョロチョロと出ていた事を思い出し、嵐はその家の水道の蛇口を開けた。

次の日。

御園が交通事故で亡くなった。

いきなりすぎ!!笑。

御園の母親が嵐に挨拶をし、「病院で御園がうわ言の様に「嵐…なんで?」と言っていたけれど、何か心当たりはない?」と聞かれる。

嵐は「ツナグ」が学校で話題になっていたのを思い出した。

誰かが「ツナグ」を使って御園が喋ったら「蛇口の水を出した事を知られてしまう!」と思った嵐は「ツナグ」を検索し、仲介人である歩美と会う。

嵐が最低に見えてくる笑。

しかし「ツナグ」で死者に会う時はリスクや条件がある。

それは

《「死者」も「生きている人間」もツナグで会えるのは、1人1度だけ。

その後はもうツナグを使って誰にも会えなくなる。

お互いが会いたいと思わなければ、交渉できない》

と言われる。

 

歩美は御園に嵐が会いたがっていると話すと、嵐と会うと承諾してくれる。

 

その後、2人は再会の夜を迎える。

しかし、嵐はどうしても「蛇口の事」を打ち明ける事はできなかった。

「ごめんね…御園。私、…ごめん、ごめんね」と泣いて謝る嵐。

「嵐、どうしたの?」と御園は嵐に言う。

ここで御園は、嵐は真実を言うのか試している気がした。

そして夜明けが来てしまう…。

歩美が、御園からの伝言「道は凍ってなかったよ」を嵐に伝えると、「お願い、もう一度御園に会わせて!私は一度きりの、御園とやり直せるチャンスを、潰してしまった!」と大声で泣き叫んでいた。

しかし、死者に会えるのは一度だけ。もう後悔しても遅かったのです。

 

御園の伝言はどう捉えればいいのか今だに謎です。

「凍ってなかったよ」

嵐が罪の意識を軽くさせてあげる心使いだったのか?

それとも

「嵐が自分に殺意を持っていた事、最後まで真実を言ってくれなかった事を悔やんでいる。」と言いたかったのか?

または、どちらともなのか…。

 

③受賞歴

・第36回日本アカデミー賞…新人俳優賞(松坂桃李

・第22回日本映画批評家大賞…主演男優賞(松坂桃李

・第34回ヨコハマ映画祭…最優秀新人賞(橋本愛

 

④エンドロールの樹木希林さんの朗読が素敵すぎる。

この映画のエンドロールが良かった。

大人だって悩んだり迷う事がある。

樹木希林さんのありがたいセリフが凄く心に染みました。

調べてみたら

ヘルマン・ホイヴェルス神父(Hermann Heuvers:元上智大学学長)の

随想選書「人生の秋に」に書かれている

詩「最上のわざ」だそうです

 

この世の最上のわざは何?

楽しい心で年をとり、

働きたいけれども休み、

しゃべりたいけれども黙り、

失望しそうなときに希望し、

従順に、平静に、

おのれの十字架をになう。

 

若者が元気いっぱいで

神の道を歩むのを見ても、ねたまず、

人のために働くよりも、

謙虚に人の世話になり、

弱って、もはや人のために

役だたずとも、

親切で柔和であること。

 

老いの重荷は神の賜物、古びた心に、

これで最後のみがきをかける。

まことのふるさとへ行くために。

 

おのれをこの世につなぐ鎖を

少しずつ外ずしていくのは、

真にえらい仕事。

こうして何もできなくなれば、

それを謙虚に承諾するのだ。

神は最後にいちばん

よい仕事を残してくださる。

それは祈りだ。手は何もできない。

けれども最後まで合掌できる。

 

愛するすべての人のうえに、

神の恵みを求めるために。

すべてをなし終えたら、

臨終の床に神の声をきくだろう。

 

「来よ、わが友よ、

われなんじを見捨てじ」と。

 

引用:「人生の秋に」ヘルマン・ホイヴェルス薯より

 

映画「ツナグ」の感想まとめ

「死者に会えるが、条件が何個かある」「先祖代々継承してきた」と言うところ。

コーヒーが冷めないうちに」の設定に似ているなーと思いながら観ていました。

arigatom.hatenablog.com

しかし、ストーリーはこっちの方がシリアスで、心にズシンときました。

特に嵐と御園のストーリーはゾッとしたけれど、つくづく嫉妬って怖いなと思いました。

嵐が嫉妬に狂い、自分の想像で御園が悪者と思い込んでいく。

亡くなって尚、御園は嵐を裏切るどころか、ずっと嵐の事を想っていたという真実を知り、後悔し苦しみながら生きていくことを決心しざる負えなかった嵐。

このストーリーと「権利書の為に祖母に会う」ストーリーは好きだったのですが、

「恋人が失踪した話」は、私の中で微妙でした。

感動する要素をもう少し入れて欲しかったなぁと。

この話の、失踪した女性は彼氏に偽名を使って、彼氏を騙していたのですが、最後まで理由も不明。

でもお互い愛し合っていた。だから尚更「じゃあ何故、偽名使ってたの?」と疑問が多すぎて感動が薄くなりましたが…。

 

この3つの生死や人生に関わるストーリーが、特に最後のエンドロールの演出で、また心にズシンと響きます。

忘れた頃にもう一度見たい映画。