映画「ヤクザと家族 The Family」
◎『ヤクザと家族 The Family』は、
監督:藤井道人・主演:綾野剛の社会派ヒューマンストーリー作品。
◎2021年1月29日公開。
◎主演:綾野剛
映画「ヤクザと家族 The Family」の【あらすじ&映画感想】を紹介します!!
映画「ヤクザと家族 The Family」のあらすじ
時代は1999年。
そして賢治の父は、バブル崩壊後に手を出した覚せい剤の過剰摂取により亡くなった。
ある日、賢治は行きつけの食堂で食事をしていた時の事。
偶然居合わせた柴咲組:組長:柴咲博(舘ひろし)をチンピラの襲撃から救う。
翌日、賢治は柴咲の部下:中村努(北村有起哉)に、柴咲組の事務所まで連れて行かれる。
事務所にいた、柴咲組長に助けてもらったとお礼を言われ、組に入らないかと誘われる。
しかし、賢治は拒否する。
柴咲は組に入る事を強制はせず、名刺を渡し、賢治を帰した。
その後、街を歩いていた賢治は、侠葉会の組員に殴られ、拉致される。
賢治の仲間2人、細野竜太(市原隼人)と竹田誠(菅田俊)も拉致され、暴行を受けていた。
前に、賢治が覚せい剤の売人を殴り、覚せい剤を奪って海に捨てたことがあった。
その売人が「侠葉会の組員の一人」だった事から拉致されたのだった。
賢治を始め、3人は半殺しの目にあう。
侠葉会の若頭補佐:川山礼二(駿河太郎)に「覚せい剤はどこへやった」と聞かれると、「海へ捨てた」と賢治は答える。
激怒した川山は「3人の臓器を売れ」と、香港行の船に乗せようとする。
その時、賢治のポケットに柴咲組長の名刺が入っており、3人は解放されることになる。
名刺によって助かった賢治は柴咲と親子の盃を交わし、柴咲組の組員となるのだった。
映画「ヤクザと家族 The Family」の映画情報:キャスト
映画「ヤクザと家族 The Family」/2021年1月29日公開
《キャスト》
・柴咲博(舘ひろし)
・工藤由香(尾野真千子)
・中村努(北村有起哉)
・細野竜太(市原隼人)
・竹田誠(菅田俊)
・豊島徹也(康すおん)
・大原幸平(二ノ宮隆太郎)
・木村翼(磯村勇斗)
・加藤雅敏(豊原功補)
・川山礼二(駿河太郎)
・大迫和彦(岩松了)
・工藤彩(小宮山莉渚)
《スタッフ》
《監督・脚本》藤井道人
《音楽》岩代太郎
《主題歌》millennium parade「FAMILIA」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
《企画・製作・エグゼクティブプロデューサー》河村光庸
《プロデューサー》佐藤順子、角田道明、岡本圭三
《撮影》今村圭佑
《助監督》逢坂元
《制作担当》大川哲史
《編集》古川達馬
《題字》赤松陽構造
映画「ヤクザと家族 The Family」の感想
①綾野剛さんが最高でした。
彼にはヤクザ者の役が似合うとつくづく思いました。
我を忘れたような狂気がある目の中にも、常に寂しさがあるような目。
そして怖さもありますが、どこか空虚感が常に漂っている。
両親を亡くし、信用できる親代わりが組長だったと思います。
賢治が柴咲組長にたまに見せる子供のような目が、心から許し慕っているのだと分かる表情でした。
綾野剛さんといえば「スタント無し」で演じる場合があります。
ドラマ「アバランチ(2021年:綾野剛)」で車で轢かれるシーンはスタントではなく綾野さん本人でした。(しかも2回)
この作品でも「車に轢かれるシーン」がありますが…。
それも綾野剛さん本人だそうです!!
そして、ラストで「海に落ちるシーン」があるのですが、
そのシーンも綾野剛さん本人だそうです!!
このシーンは、引き画にもかかわらずスタントではないそうで…。
不死身すぎる。
②主人公が浦島太郎状態。時代の流れが空しく、そして悲しい。
この映画は、1999年~2019年という年月の流れを描いています。
20年の時がどんなふうに変化してしまったのか。
裏社会の人間ですが、ただただ、悲しく思いました。
最初は繁栄していた柴崎組。
しかし2005年、賢治は中村の罪をかぶり刑務所に入ります。
出所できたのは2019年。
ここで14年も時が流れています。
時代の流れで「暴対法」ができていて
「ヤクザは携帯電話も買えない」
「組を抜けても5年間は銀行口座、生命保険、ローン等を組めない」
と色々人間扱いしてもらえない。
賢治が組へ帰ってきたときには、組員がほとんど辞めていました。
残った組員は6人のみ。
しかも慕っていた組長は癌で余命わずか…。
組は衰退していました。
さらに、賢治は由香に会うと、刑務所に入っている間に賢治との子供を出産し
シングルマザーとして生きていました。
子供と妻の為に、普通に生きていこうとしましたが、「元ヤクザ」という事がバレてしまい、全てうまく行かなくなる。
最後は本当に切なかったです。
③翼の成長した役は磯村勇斗さん
賢治の行きつけの食堂の女将さんの息子:翼が14年経って、大人になっていた!!
賢治が、翼を小さい頃から可愛がっていた。
翼の父は亡くなっていたが、実はヤクザの組長だった事を母親が隠していたのです。
「言ってくれればいいのにガキだから遠慮して言ってくれなかったんすよ」と翼。
かなりヤサグレていたが、ヤクザとは違い現代のスマホやSNSを上手く悪用し、羽振りがよさそうだった。
賢治に「ヤクザなんて時代遅れっすよ」と言っていたが
最後は、父親を殺した相手を探し仇を討とうとする。
それを察した賢治は、翼の代わりに相手の元へ向かう。
きっと、翼に対する親心だったのだろうと思うと、泣ける。
ちなみに私は綾野剛さんも好きだけれど、磯村勇斗さんも好きなので
一度で二度おいしい映画でした。
映画「ヤクザと家族 The Family」の感想まとめ
昔の任侠映画とは違った目線で見れる映画。
昔の任侠物は怖いし、一人ずつ順番に亡くなっていく。
怖いもの見たさで見ていましたが、今回は全く違い、最後はヤクザという生きざまが切なく空しく感じました。
主人公目線からみればバッドエンドですが、考えさせられるものがあると思います。
繁栄したものも、形あるものは滅びてしまう。
「平家物語」のようですね。