映画「ガリレオ容疑者Xの献身」
◎2003年から文芸誌『オール讀物』に連載された東野圭吾の推理小説
ガリレオシリーズ第3弾を映画化した作品。
◎主演:福山雅治
映画「ガリレオ容疑者Xの献身」の【あらすじ&映画感想】を紹介します!!
映画「ガリレオ容疑者Xの献身」のあらすじ
花岡靖子(松雪泰子)は弁当屋を営み、一人娘・花岡美里(金澤美穂)とアパートで暮らしていた。
ある日、靖子が別れた夫・富樫慎二(長塚圭史)が、靖子の住んでいるアパートを探し当ててやってくる。
結婚当初、富樫は羽振りが良く、優しい夫だったのですが、借金に困り暴力を振るうようになり離婚した男でした。
その富樫が靖子の前に現れたのは、金目当てだった。
富樫から逃げるため、これまでに何度も引越しを繰り返していますが、そのたびに富樫が二人の前に現れては、お金をむしり取っていきます。
靖子は富樫にお金を渡し「これで、もう二度と私たちの前に姿を現さないで!」と言う。
富樫は帰り際に美里の顔を見るなり「お前にも、いずれ働いて金を作ってもらう」ようなことを吐き捨てて帰ろうとする。
富樫が玄関の前に立つと、美里が後部からスノードームで富樫の頭を殴りつける。
逆上した富樫は、美里に襲い掛かり、靖子と美里は暴力を振るう富樫を衝動的に殺害してしまう。
靖子の隣に住んでいた住人の石神哲哉(堤真一)は、怒鳴り声や、騒音がピタリと止んだ事を不思議に思い、靖子の部屋を訪ねる。
その後、顔が潰され、指紋も焼かれている遺体が発見された。
警察は身元を富樫と断定し殺人事件として捜査が始まる。
捜査一課の内海薫(柴咲コウ)刑事は、富樫の前妻である、花岡靖子に殺人事件が起こった当日の事を訊きに行きますが、完璧なアリバイがありました。
捜査に行き詰った警察は、物理学者・湯川学(福山雅治)に協力を要請する。
そして、捜査していく中、靖子の隣に住んでいる人物:石神が、湯川の大学時代の同級生で、天才数学者であることに気が付く。
石神は現在、高校で数学を教えており、湯川は石神の研究室へ訪れた。
映画「ガリレオ容疑者Xの献身」の映画情報:キャスト
映画「ガリレオ容疑者Xの献身」/2008年10月4日公開公開。
《キャスト》
・湯川学(福山雅治)
・内海薫(柴咲コウ)
・草薙俊平(北村一輝)
・弓削志郎(品川祐)
・城ノ内桜子(真矢みき)
・工藤邦明(ダンカン)
・富樫慎二(長塚圭史)
・村瀬健介(林剛史)
・淵沢隆史(福井博章)
・森英太(伊藤隆大)
・渡辺美雪(高山都)
・谷口紗江子(葵)
・平原瑤子(小松彩夏)
・「扇屋」の女将(福井裕子)
・ホームレス(鈴木卓爾)
・草野球の監督(リリー・フランキー)
・有薗文雄(石坂浩二)
・葛城修二郎(益岡徹)
・柿本純一(林泰文)
・花岡靖子(松雪泰子)
・石神哲哉(堤真一)
《スタッフ》
《監督》西谷弘
《脚本》福田靖
《製作》亀山千広
《企画》大多亮
《エグゼクティブプロデューサー》清水賢治、畠中達郎、細野義朗
《プロデュース》鈴木吉弘、臼井裕詞
《プロデューサー》牧野正、和田倉和利
《編集》山本正明
映画「ガリレオ容疑者Xの献身」の感想
①石神哲哉を演じた堤真一が凄く良かった。
石神は感情が無い人物だと思っていましたが、ふたを開けてみれば、一番人情味があって思いやりがある人物でした。
この映画は、本当にいい意味で騙された感じがします。
一番びっくりしたのが、石神はただのストーカー野郎なのでは?と思いこませました。(ちょっとネタバレ)しかし、実はこれも周りを完璧に騙す為のトリック。
最初は「怖っ!富樫とやってることが変わらないやん!」と思ってしまいました。
私も靖子同様に騙されました。
この事も、完璧に花岡親子を守るためだったのです。
「なぜそこまでして、この親子を守るのか」と言う理由が、最後に分かります。
感動で涙がにじみます。
ここまで感動したのも、演じた俳優が堤真一さんだったからだと思います。
まさに献身=石神。だと思いました。
②湯川と石神が語り合った「四色問題」。
湯川と石神は同級生。
湯川は石神を疑いながらも、酒を交わし学問を語り合うシーンがあります。
物理と数学の相違点なども語り合いますが、その会話の中で一番気になったのが「四色問題」でした。
「四色問題(四色定義)」とは
いかなる地図も、隣接する領域が異なる色になるように塗る色には、四色あれば十分だという定理。
この映画で石神が、四色問題について「美しくない」と言っています。
何故、美しくないか?
この問題「四色問題」に対して、1976年にイリノイ大学のヴオルフガング・ハーケンとケネス・アッペルが大型コンピュータで1,200時間かけて、すべての図形が4色で塗り分けらることを証明し、確実視されるようになった。
この事から、コンピューターを使用して力ずくで解いた事から「美しくない」と発言したと思われます。
最後に石神が、全ての罪を自ら被り、留置所の天井で四色問題を頭の中で描くシーン。後々考えると、「隣同士は同じ色になってはいけない」は、石神と靖子の事だったのかもしれない。と思うと余計に切なくなりました。
映画「ガリレオ容疑者Xの献身」の感想まとめ
テレビドラマ版の「ガリレオ」とは違い、派手な実験シーンは最初だけです。
いつもの湯川教授が閃いて数式を書いていくシーンは、殆どありませんでしたが、凄く深い映画でした。
ここで、あまり出なかった数式を解いていくシーン。
湯川教授の数式は、適当に書いているのではないらしいです。
監修の元、実際に存在する数式を福山雅治さんが覚えて、書き出していているらしいです。
本当に解いていないにしても、あそこまで複雑な数式を覚えて書き出すとは、さすが役者さんだなと思いました
ドラマのガリレオらしくない映画でしたが、いい意味で騙されたし、サスペンス映画としては、本当に感動しました。
次作の「真夏の方程式」より好きです。